ストーカーの尻尾をつかむ
「以前に同じ職場だった男性から付きまとわれており、身の危険を感じる」と切迫した様子で、ひとりの女性が相談してきた。事情も分からず依頼を受けるわけにもいかないので、ここ(事務所)は安全ですよ、とお茶を出しながら詳しい事情を聞いてみた。
この依頼者によると、ストーカー行為をしているのは、かつて自分(依頼者)もアルバイト勤務していた会社の作業員とのこと。当時からしつこく交際を迫られたため、やむなく依頼者は退職することになったという経緯がある。しかし、その後も自宅へ頻繁に電話がかかってきたり、自宅近くで待ち伏せされるなど、ストーカー行為はエスカレート。なぜか交際してもいないのに「手切れ金を払え!」とまで脅されるようになり、警察にも相談したが反応は乏しい。困った挙句、探偵への相談を考えたということだった。
ストーカーへの対応はいくつかあり、「単独で解決可能なケース」と「警察など公的機関に動いてもらうべきケース」に大別できる。今回は判断が微妙だが、大事になる前に警察を動かせるだけの証拠を取得するのが第一だと考え、調査を開始した。
幸いなことに、依頼者が対象者の情報をかなり持っていたため、対象者の現住所を特定する事は容易であった。さらに、現在の勤務先も尾行調査によって判明した。
この対象者、日中の行動は特に異常が見られない。自宅から出るときにも、周囲を見回す程度の警戒行動だけだった。しかし、夜になると依頼者の言ったとおり、その行動が豹変する。依頼者宅の周辺をウロウロしたり、頻繁に公衆電話からどこかに電話をかけている。深夜ということもあって通常の尾行は難しかったが、およその移動パターンを把握した上で、尾行というよりは張り込みに近い形の撮影に成功した。
ここで撮影できたのは、深夜に電話ボックスから何度も通話する場面、対象者宅の郵便ポストに手を入れて中身を探る場面、そして対象者の自転車をパンクさせている場面、などだった。
さらに、依頼者宅への脅迫めいた電話内容もきちんと記録し、すべて合わせた状態で警察へ提出。これにより、本人から警察が詳しい事情を聞くなど、ようやく具体的な対応が取られることになった。
このケースのポイント
ストーカー規制法が施行されたとはいえ、いまだ探偵に対してストーカー対策調査の依頼も多くあります。当社で過去に扱った事例でも(本文の案件とは別件ですが)ストーカー男性が刃物を持ち歩いていたりと、かなり危険なケースもありました。この種の依頼としては他にも、いじめ対策調査、近隣の騒音トラブルの証拠蒐集などがあり、意外と身近なところで探偵が活動しています。