夫の浮気調査
「ちょっと警戒しているかもしれません」
夫の浮気調査について相談しにきた依頼者は、最初にそう語った。
2ヶ月ほど前に自宅の片付け中、見覚えのないイニシャルの入ったマグカップを偶然見つけたのが発端らしい。夫の携帯電話をこっそり見てみると、そのイニシャルと同じ女性名の相手と頻繁に連絡を取り合っている様子。メールの文面も「友達」というには親密すぎる内容だったそうだ。
夫に問い詰めてみても、「相談に乗っていただけだ」「今はまったく会っていない」「勝手に携帯電話を見るとは何ごとか!」と話にならない。つい興奮した依頼者も、「絶対に証拠をつかんでやるからね!」という意味の言葉を夫に投げかけてしまったらしい。……それが、冒頭の言葉につながっていた。
何度かの打ち合わせの後、最終的に当社の「パック料金プラン」で調査することになった。
どのくらい対象者(夫)が警戒しているか、まずは初回調査で見極めることにした。会社から出るときは軽く周囲の確認、歩くときは曲がり角を利用して後方確認、車両での移動中はルームミラーを何度か見る、という警戒行動があった。しかし、このくらいなら調査不可能とはいえないレベル。方法さえ間違えなければ、充分に調査できると判断した。
今回の調査では尾行以外にも、追跡調査を併用。依頼者から知らせてもらった情報から、浮気相手と思われる女性の所在を突き止め、自宅から出てくる本人の顔写真を撮影できた。すぐに役立つとはいえないが、これも大切な情報になる。
追跡調査と並行して進められた対象者の尾行調査には、やはり細心の注意を払った。日ごとに違う顔の調査員を使い分け、すべてにおいて「発覚しない尾行」を最優先させ、辛抱強くチャンスを待った。
その結果、ようやく女性と待ち合わせる場面を確認。その若い女性は、やはり追跡調査から判明した女性と同一人物だった。さすがに対象者もデート中は油断したのか、仲良く手をつないで歩く写真、繁華街の出店で一緒にアイスクリームを食べるビデオ映像などが撮影できた。ラブホテルから並んで出てくる場面も撮影し、調査目的は達成したといえる。
ラブホテル撮影に成功という経過報告をして、依頼者には喜んでいただけたが、探偵の立場からは「すぐに証拠を対象者に突きつけるのは早すぎる」と判断した。まずは当社から無料で弁護士を紹介しますから、今後の方針について入念に話し合った方がいいですよ、とアドバイスした。多くの依頼者は浮気の決定的証拠が取れたらすぐにでも使いたくなるが、早ければ早いほど相手に「対策を立てる時間」を与えることになる。何食わぬ顔で周到に準備を進めておいた方が、(特に離婚の場合は)有利な立場になれることが多い。
今回は、きちんと証拠が取れていたこともあり、調停までいくことなく協議離婚が成立。対象者である夫は多額の「慰謝料」という形で、自らの不貞行為のツケを支払うことになった。
このケースのポイント
対象者が少しばかり警戒していましたが、それでも依頼者が最初から正直に打ち明けてくれたので、対策を練ることができました。多少の時間はかかったものの、浮気調査としては上手くいったケースです。奥さんが情報を逐一記録していてくれたのも、間接的に調査成功の役に立ちました。また、証拠取得後の正しい対応については、本文にも書いたとおりです(あくまで離婚と慰謝料を前提にした場合)。離婚という人生の大きな節目にしても、弁護士・探偵など専門家の立場から助けを借りることができますので、上手に利用していきたいところです。